英語論文

アクセプトされる英語医学論文を書こう

和訳に比べると圧倒的にハードルが高いと感じるのが英訳です。でも将来のために少しずつ勉強しておくのも悪くはないでしょう。そこで古本屋で本を1冊買いました。「アクセプトされる英語医学論文を書こう!」この本はとても良い本です。アマゾンでも高い評価を受けていますが、納得の1冊です。値段もお手頃価格で、入門書としては最高だと思います。間違いやすい部分や落とし穴が丁寧に説明されており、英語が得意でない人も気軽に読める内容です。ただ、全てが正しいというわけでもなさそうです。もしかすると、医学雑誌の編集者の好みの問題かもしれませんし、時代の流れで表現も変わってきているのかもしれません。

動詞の時制

論文には抄録がついていて、Background、Methods、Results、Conclusionsのように構造化されています。上記の本によると、結論は現在形で書くように指示しています。結論に共通する間違いというセクションで「常に現在形を使う」と明記しています。ところが、2010年のNEJM(Volume 362, May 13, Number 19)に掲載された4つのOriginal Articlesのうち2つで、結論の部分で過去形が使われていました。同じ週のJAMA(Vol. 303, No. 18, May 12)でも、結論で過去形が使われています。実際に抄録を読んでみて、結論が過去形だからといって、別に不自然や違和感は感じませんでした。今週の二誌を見る限り、Conclusionsで現在形の使用は必ずしも間違いとは言えないような気がします。英文を書くときは、時制がどうかというような初歩的な所でこんなに悩んでしまうのです。はやり壁は思った以上に厚いかもしれません。

Copyright © 2008-2010 医薬翻訳の扉 All Rights Reserved.